ザクセン州首相 スタニスラフ・ティリッヒ インタビュー



ザクセン州首相 スタニスラフ・ティリッヒ インタビュー「我々はさらに多くの褐炭を必要としている」(RP Online, 4月16日)


ザクセン州首相のスタニスラフ・ティリッヒ(Stanislaw Tillich:キリスト教民主同盟)は、原子力発電からの撤退の代償として、褐炭発電を強力に支持する事を表明した。氏は「褐炭エネルギーという基礎のおかげで十分な電力が供給される」と述べた。このCDUの政治家は、我々のインタビューに対し、脱・原子力エネルギーの出口について語った。


----現在のドイツはエネルギーの転換期にあるとお考えですか?

ティリヒ:原子力エネルギーからの脱却を目指すということは、社会的な合意事項です。ですので唯一の問題は、脱原発をどれくらいの速度で行い、どのような段階を踏んで再生可能エネルギーと最新鋭の化石燃料に切り替えていくかということです。我々は、経済と家庭にとって支払える電気料金を維持したいと考えています。


----どのように切り替えていけるでしょうか?

ティリヒ:我々はとりわけ、国際市場における価格競争で勝ち抜ける電力を供給するために、新たな技術を開発していかなくてはなりません。原子力エネルギーからの撤退が決定された現在、それは風力発電の新設だけでは不十分です。我々は、褐炭のような地元で産出される資源を用いた発電技術の開発をさらに進めるべきなのです。褐炭という基礎があるおかげで、十分な電力を生産できるのです。


----風力発電の新設と大規模な送電システムの建設は、今日抵抗を受けています。

ティリヒ:もし我々が、輸入に頼らずに資源を調達し、自前でエネルギーを生産したいと考えるのであれば、我々は難問に取り組まなければなりません。いずれにしても、これからドイツにおいてはより多くの風力発電と新たな送電システムを建設せねばなりません。これは避けることのできないことです。そのための同意もまた、得られなければなりません。


----SPDと協調した国のエネルギー・コンセンサスは成功するでしょうか?

ティリヒ:我々は今日、国のエネルギー・コンセンサスのための重要な前提条件を確立しました。我々は原子力発電から撤退する道を選んだのです。問題は、どれくらいのスピードで、どのような道筋を辿ってこれを実行するかですが、これについてはまだ議論が残っています。



メディア: RP Online (2011年 4月16日)

原題: Interview mit Sachsens Ministerpräsident
-Tillich: "Wir brauchen mehr Braunkohle"-

原文ソース:
http://www.rp-online.de/politik/deutschland/Tillich-Wir-brauchen-mehr-Braunkohle_aid_988367.html

日本語訳: 大谷悠