ESPON今月の地図
ESPONの意義は、国ごとでなくヨーロッパ全体という視点での空間認識を地図で視覚的に共有する事。それによって各都市・地域が世界の中のEU、EUの中の都市という視点から様々な戦略、問題提起ができる可能性を持っている。
各国の利害を排除した客観的な地図データである事が望まれるが、地図の読み手に何かしらのメッセージが伝わる物である必要もまたある。ESPONでは複数種類のデータを掛け合わせる事で、客観的データでありつつ、問題を精鋭化したり逆に問題の多様性を訴える方法がよく取られている。
ちなみに今月の地図は、アクセシビリティの高低とGDPの高低との関連がわかる地図。
東欧に目を向けると、ちょうど島のように主要都市部とその周辺だけ浮き上がって見える。
主要都市>ACC高・GDP高
都市周辺>ACC低・GDP高
他 >ACC低・GDP低
という図式だ。FDIが都市周辺部の開発に導入され、国境周辺でインフラ整備が急ピッチで進められている事実と重なる。
西欧では、GDPだけでなくアクセシビリティを加味した方がブルーバナナがよく見える。
余談:しばらくフォローしていなかったESPONだったが、新しいプログラムが始まっている模様。
http://www.espon.eu/mmp/online/website/content/programme/1455/index_EN.html