IBAのもつ"建築マインド"


Theorie des Schweizer Architekten und Publizisten Alfred Roth, veröffentlicht 1949

IBA Fürst-Pückler-LandのチーフであるRolf Kuhn氏が、IBAに関するプレゼンの冒頭で必ず紹介するダイアグラム。
スイスの建築家アルフレッド・ロース(Alfred Roth)が1949年に描いたものだ。(ラウムプランでおなじみのロースとは別人)

ロースは建築を川を下るボートに例えている。上の岸は"irrational (Gefühl)"=非合理性(感性)で、Idee, Kunst, Philosophie=観念、芸術、哲学と書かれている。一方下の岸は"rational (Verstand)"=合理性(悟性)で、Wissenschaft, Technik =科学(学問)、技術と書かれている。
建築はどちらの岸に近づきすぎても「座礁」して死んでしまう。言わば"建築マインド"を端的に表したようなダイアグラムだ。

Kuhn氏は、IBAのコンセプトはまさにこの図が示す通りであると言う。
IBAの正式名称は「国際建築博覧会 (International Bauausstellung)」であり、その根底には間違いなく"建築マインド"がある。現在のIBAには建築家だけでなく、芸術家、技術者、経済、ジャーナリストなどの様々なバックグラウンドを持った人々が働いている。彼らの多様なプロフェッションを活かし、建設的な地域再生を目指すため、彼らをして感性と悟性を持ち合わせた"建築マインド"のある組織を形作る、というKuhn氏の哲学がこのダイアグラムとともに語られる。